2018年ブレイク必至! 弱冠24歳の若者が造る新しい新潟の酒!
いま、日本酒好きのあいだで話題の酒蔵、加茂錦酒造の「荷札酒」
先達たちへの熱い想いが
籠もっている「荷札酒」
いかにも物おじしない、今どきの青年は、実は、この間まで酒造りのイロハも知らなかった。業界誌を読み込み、分からない単語が出てくればグーグルで調べ、少しずつ酒造りというものを勉強した。
「始めは“並行複発酵”って何? って感じでした」。
現場で役立ったのは、メディアの豊富な画像、例えば、テレビ東京の「カンブリア宮殿」だ。
「僕が大学生のころ、父が獺祭を手に入れて来たんです。飲んでみて、なんじゃコレは!と驚きましたね」。
純米大吟醸酒「獺祭」で今をときめく旭酒造は、杜氏を置かない。造りを科学的に分析し、杜氏の勘に頼らない、新しい酒造りを現実のものにした。だが、獺祭の桜井博志社長(現会長)ですら、最初は地酒専門店を訪ねて、売りこんで歩いたという。だから、と悠一さん。
「置いてくれると言われたときは、ビックリしました。ただ、次はもっといい酒を持って来い、って」。
若かったから面白がってくれたんだろう、と言うが、醸した酒に可能性がなければハナから相手にされなかったに違いない。その期待に背かなかった若者を見抜いた酒のプロは、なんとも凄いものだ。
「その社長さんが言うんです。こいつはねぇ、ホント、なんか、いろんなの造って来るんだよ。めんどくせえヤツなんだよ。黒龍みたいな淡麗系を造ったり、ガス感のあるもの、新政や十四代みたいなものも造る。でも、コイツの酒を売らないと自分の舌が疑われるからね、売らざるを得ないんだ、って」。
そうボヤく24歳の醸し人は、人に恵まれて、可愛がられている。多くの先輩たちに教えられ、導かれ、支えられている。だから、「荷札酒」にはそうした先達たちへの熱い想いが籠もっているのだ。
「雄町で造った濃醇で旨みのある今年の酒には、尊敬する大先輩のアドバイスが詰まっています」。